ロフトの奥、階段の途中、窓辺のベンチ。
この家には、あちらこちらに“ひらけた場所”があります。
子どもたちはその日そのときの気分で、思い思いに居場所を見つけては過ごしているそうです。
視線がすっと抜けるリビングの窓辺には、空と松並木が広がっています。開けすぎず、けれど程よく“抜け”がある。家族のお気に入りの場所は、その小さなベンチ。空を仰ぎ、風が通り抜ける、ささやかながらも気持ちの良いひとときを与えてくれます。
この家が建つのは、目の前に小川が流れる静かなまちの一角。
敷地の南側には大きく視線が抜け、空と木々が風景をつくっていました。
「ここで、どんな住まいが育っていくのか」。そんな期待から、この家づくりははじまりました。
「かっこいいけれど、スタイリッシュすぎず、暮らしのなかに自然と溶け込んでいくようなデザイン」に惹かれたというクライアント。
見た目の印象だけでなく、予算配分のバランスや、使い込まれていく前提のような“素朴さ”にも安心感を覚えたそうです。
設計過程では、リアルタイムでの3Dイメージ共有がとても助けになったとのこと。完成像が具体的にイメージできるからこそ、決断もしやすく、家づくりに伴う不安がぐっと減ったと話します。工務店とのやりとりや細かな調整も含めて、安心して任せられたと振り返ってくれました。
敷地の制約を受けながらも、2階に設けたLDKは、驚くほど広がりを感じさせてくれる空間になりました。窓の配置や視線の通り方には特に配慮がなされており、「必要なところにだけ、ちょうどよく“抜け”がある」。そのバランスが、日々の暮らしに心地よさを生んでいます。
完成した家には、家族それぞれの“好きな場所”があります。
小さな家のなかで、のびのびと過ごせること。住まいにぴったり収まることよりも、少しだけ余白があること。それが、暮らしの豊かさを支えているのかもしれません。