休日の午後、図書館のようなリビングにオーブンの音が響きました。
窓の外の光を浴びながら、子どもたちの声と一緒に広がっていったのは、焼きたてスコーンの香りです。
参加してくださったのは、グラフィックやプロダクトに関わるクリエイターの方々。
気の合うメンバーが集まったこともあり、材料を混ぜる手も自然に進み、会話は次々に広がっていきました。
スコーンづくりはシンプルですが、焼き上がった形にはそれぞれの個性が表れて、並べて眺めるだけで笑みがこぼれます。


焼き立てのスコーンを頬張り、紅茶とともにテーブルを囲む時間は、ゆったりと流れていきました。
おいしさを分かち合うことと同時に、この場所で過ごすひとときが、空間そのものを体験することにつながっていきます。
「サクとハルの図書館」に触れていただきたいという思いから始まったこのイベント。
食と設計を重ね合わせることで、住まいが持つやわらかさや居心地を、より深く感じていただけたのではないでしょうか。
こうした小さな催しを続けていくことが、空間の記憶を少しずつ積み重ねていくことにつながる。そんなことを改めて感じた一日でした。
